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あきつのクレープ屋 NicoRA
奥山さん、新宅さんインタビュー
ささやかなやさしさで包む。
地域とひとを、
2023年1月に安芸津にオープンしたクレープ屋さん「あきつのクレープ屋NicoRA」。3児の母である店長さんが注文を受けてから丁寧に焼き上げる、安芸津で愛されるクレープ屋さんだ。開店に至るまでの想いと、お店のこれからについて、店長の奥山さんと、接客を手伝われているお姉さんの新宅さんにお話をうかがった。
「NicoRA」の「Nico」はニコニコのニコ。来店された方やクレープを食べた方がニコニコ笑顔になってもらいたい、また奥山さんご自身が楽しんでお店をやっていることから、「Nico」をつけられている。「RA」はお子さんのイニシャルを組み合わせたという。素敵な店名なこのお店のクレープは、やわらかくもっちり食感の生地に、くどすぎないクリームの調和が絶品だ。他にも、生地で具材をまるく包んだ、食べやすいミニクレープも魅力。お店のイチオシはお好み焼き風クレープ。お好み焼きの具材をクレープ生地で包んだという、独創的なオリジナルクレープだ。クレープは、車内で出来上がりを待つことも可能。また、お店へ事前にお電話すれば予約もできる。
安芸津の子どもたちのために
地元の子どもたちがお小遣いを握りしめ、おやつを買いに来てくれる、そんなお店を目指したい。その想いからNicoRAを開店した。そこで子ども目線を意識し、子どもたちに喜んでもらえるためにクレープのみならず、ポテトやからあげなどの軽食も用意。地元の子どもたちが来店した際、「安芸津でポテトが買えるなんて!」と驚喜してくれたという。
「今安芸津には駄菓子屋さんがひとつ、そこしかない。あとはコンビニ行っておやつ買うとか。でも昔は安芸津にも、たこ焼きとかアイスとか、そういうのを売ってるお店があって。そういうお店を目指したいんです。」
かつてご自身が憩いの場として通っていたお店のように、地域に寄り添ったお店づくりを行っていると話される奥山さん。ちいさな頃通っていたお店があるという思い出は、大人になっても灯台のように記憶の中でピカピカひかる。安芸津の子どもたちは、今を振り返った時にNicoRAを思い出し微笑むにちがいない。
開店に至るまで
勢いでお店を始めたれたという奥山さんは、どのような経緯で開店準備から開店に至ったのだろうか。開店を決意した際、世は新型ウイルスに苛まれていた。かつ奥山さんは3人目のお子さんをご出産されたばかりであった。そんな中での決意は、どのような思いがあったのだろうか。
「何年もやりたいって思ってはいたんです。いいタイミングかどうかは微妙だったんですけど、でも今やらないともうずっとできない気がして。だから今かなって、勢いで始めて。」
夢を抱くことは誰にでもできることかもしれない。しかし、実際に踏み出すことは、何よりも難しい。個々の中にある、今だ、というタイミングを逃さず掴んだ奥山さんの決意は、何にも変え難い信念があるように思えた。
その決心を持ってして、「third」の代表新川隼人さんへ相談に向かう。それは開店の約半年前である夏だった。「third」としては、東広島市の経営相談センターの紹介や、物件探し、補助金のサポートを行なったという。
「新川さんは、何かわからないことがあったらとりあえず聞いてみようって思える存在です。ダメだったら何か教えてくれるかもって。」
サポートを受けながら、2022年10月から開店準備を開始。内装は、以前ケーキ屋さんやパン屋さんであった物件を借りたことで、NicoRAの雰囲気によく合う可愛らしく、明るい内装となっている。
開店まで短いスパンであったが、とにかくやりながら覚えていこう、と思い進めていったのだという。時間をかけることで良いものは作れるかもしれないが、闇雲に時間をかけるのではなく、短時間であっても何より動き出すことに意味があるのではないだろうか。
あしたに、
NicoRAと
NicoRAでは、地域の子どもたちのみならず、障がい者支援を行える店になっていきたいという。障がいがあると、どうしてもお店を選んでしまう。新宅さんには障がいのあるお子さんがおり、身内にいるからこそ気持ちがわかるのだという。
「身内にいる分、他の人よりは気づきやすいんですよね、保護者の人もイライラしてるんですよ。でも大丈夫ですよ、うちにもいますからって声かけて。ちょっとした話で和んでもらったりとか。そういうのってなかなかないかなって思って。これからアドバイザーの資格とって、発達障害支援を行なっていきたいです。地域の子どもに密接することはできても、障がいを持ってる子に寄り添うのはなかなか難しいので。でも接客の方でそれは叶うと思ってます。」
そう今後について話される新宅さん。現在実際に支援所のみなさんがお買い物訓練でクレープを買いにこられることもあるという。本当に変えるべきなのは、みてくれだけの言葉ではなく、社会の在り方や環境の在り様なのだ。これからNicoRAはクレープのみならず、地域と人を、より具体的かつささやかなやさしさによって包んでいく。
2023年9月12日
これから
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