top of page

愛鷹海運・西本汽船

55962FCD-1CCF-4470-BF2C-9F5FA1B7FBC8.JPG

西本直人さんインタビュー

安芸津の海から全国へ。

全国へ荷物を運び届ける貨物線を取り扱う愛鷹海運・西本汽船。内航船の業務についてと、今後の展望について愛鷹海運株式会社社長の西本直人さんにお話をうかがった。

愛鷹海運・西本汽船による船舶貸渡業

自社の所有する船舶を他の事業者に貸し出したり運航を委託したりする船舶貸渡業。愛鷹海運・西本汽船では、船を作り、船員さんを雇い、船を運行会社に預け、振り分けられた荷物を日本中に運び届ける、この一連の業務を担っている。主に建築や土木、機械などの材料とするために、板・棒・管といった状態に加工した鋼鉄である鋼材を運んでいる。その他にも、種子島へプラントというロケットのエンジンを積むなど、多岐に渡る商材を運んでいるという。安芸津は海のまちでもあるため、安芸津の船と言えば漁船のメージが強く、船業をやっていると言っても貨物線とは中々思いつかないかもしれない。しかし時代背景として、かつて安芸津には多数の船会社が存在していたという。安芸津から全国へ繋がっていた歴史を持つまちで、今もなおその系譜を絶やさずに日本中に物資を送り、様々な場所との接点を繋ぎ続けているのが、愛鷹海運・西本汽船である。厚い歴史と確固たる信用がある船会社だ。

C8FAE53C-BD6B-4552-8F3E-28F856F7ADB2.JPG

サブスクリプションの元祖

この愛鷹海運・西本汽船がいる船業界のお金の動きは、「サブスクリプションの元祖」と呼ばれているという。
「入ってくるお金もこの船業界、定額なんですよ。1ヶ月こんくらいかかりますよってサブスクみたいな感じで。それもまた面白いですよね。」
ニッチで興味深い世界だ。船が動かなければ金額が下げられるのでは、と不安になるが、動きすぎるのも大変であるため、適度に船が動くようバランスを取らなければならない。仕事について話される さんは、仕事を心底面白がっているように見受けられた。安芸津から全国を相手にする仕事の壮大さを思い知らされる。

5D278858-2CFD-471B-9933-87EF010C9762.JPG
19C2C685-6D1E-4888-B040-CD33527E62BF.jpg

「なくなると寂しい場所」を守る

二隻の船を持つ愛鷹海運・西本汽船。合併することなく、どちらの会社も存続している。大切にしてきたものを大切にし続けることができる環境を守ることは、容易ではないはずだ。それでも双方の意見を慮りながら存続し続けてきた。その想いは西本さんにもしかと引き継がれている。広島市のホテルで調理師をしていた西本さんは、23歳の頃後継者がいない声を聞いて地元に帰ってきた。
「自分が育ててもらった会社がなくなるのは寂しいじゃないですか。そういうのも色々考えて、帰ったんです。」
そう家業を継いだことについて話す西本さん。なくなると寂しい場所には慈しみがある。慈しみのある場所が故郷であることには、そこはかとない恩愛に満ちている。

9C78FF48-9078-45FE-8520-3C70C366A3ED.JPG
43401A31-EA1C-4F18-BEEA-2D9C1CC80F4D.JPG

仕事の中から見えた小さな答え

沖縄航路の船持っていた頃の話だ。あるとき沖縄の方から「あんたらが荷物運んでくれないとジャンプや雑誌が読めない」と言われたのだという。沖縄は本土から物資を送らなければ物が届かない。そこで西本さんは、仕事上エンドユーザーと出会すことはないが、誰かのために役立っていることを知った。
「そっから仕事頑張ろうって思いましたね。目に見えないですけど、誰かのために役立ってるんだなって思ったんで。それからやりがいというか、やってる意味があるんだなって思いましたね。今までほんとに積んで下ろすだけだったんで。そのとき答えが一瞬見えた気がして。」
その時の答えを忘れることなく、現在もお客さんのものである鉄を安全第一で、その鉄を必要とする人のために大事に運ぶよう、船員さんたちに強く呼びかけているという。運ぶ物の先にいる人への想いを絶やすことなく、かつ社員である船員さんの働く環境をも整えようとする想いも感じられる。西本さんのやさしさが垣間見えた。

 

IMG_7259.jpg

あしたに

B26102BD-13B3-43EE-B3FB-DBE88279E5B0.JPG

愛鷹海運

 西本汽船と

愛鷹海運・西本汽船では将来的に、内航船からさらに外航船へ航路を広げてたくさんの人に荷物を運びたいと考えているという。安芸津から全国へ、安芸津から数多くの人へ、しかとものを届けていく気概が感じられる。
安芸津生まれ安芸津育ちの西本さんは、安芸津を結束力があると話す。他地域では地域のイベントがなかったり、あったとしても数人しか集まらなかったりする。しかし安芸津はイベントごとにみんなが集まるという。安芸津は仲が非常に良い集団なのかもしれない。また、企業が多いことも魅力である。
「安芸津にきた人にできることは少ないですけど、僕も声をかけられたらできることをやります。あとはアパートを持っているので、何かあれば言ってください。」
そう話す西本さん。とても逞しい言葉である。貫禄のある佇まいと、温厚な眼差しも相まって、内外問わず味方となってくれそうだ。安芸津は依然として人の良い土地柄であるが、西本さんとの間にはその事実を裏付けるような穏やかな空気が広がっていた。

2023年8月9日

​会社概要    愛鷹海運株式会社

​会社名
愛鷹海運株式会社
​代表者
西本 直人
電話番号
0846-45-1523
FAX:0846-45-0224
主要貨物
鋼材製品
会社所在地
〒739-2402 広島県東広島市安芸津町三津4392-104
創業
1967年1月19日
保有船舶
2隻(499G/T 498G/T)
主要航路
瀬戸内~中京~京浜 日本沿岸
ホームページ

​会社概要 西本汽船株式会社

​会社名
西本汽船株式会社
​代表者
西本 克博
電話番号
0846-45-1523
FAX:0846-45-0224
主要貨物
鋼材製品
会社所在地
〒739-2402 広島県東広島市安芸津町三津1646-10
創業
1967年7月26日
保有船舶
2隻(499G/T 498G/T)
主要航路
瀬戸内~中京~京浜 日本沿岸
ホームページ
bottom of page